ISSUE007 / FIELD WORK (駒ヶ根市)

点からはじめる街並みの提案——「KOMAGANEウェアハウス」2

Published on 8.15.2017

 

可能性を広げるヒントは
受け入れること、手放すこと。

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 2017年5月27日、おかげさまでKOMAGANEウェアハウスは
一旦の完成を迎えることができました。
一階は、ヨーロッパを中心としたヴィンテージ家具と照明を扱うアポイント制の店舗に加え、
ご縁のあるクリエイター、アーティストをお招きできるよう、
小さなギャラリースペースを用意することに。
二階は、JR飯田線の引き込み線が見える独特の眺望を生かしたサロン、そして
プライベートの住居スペースが広がっています。

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工事に取り掛かったのが、2016年11月の終わり。
ここから足掛け半年という時間を要したのは、
なによりクライアントワークを優先し、合間に作業を行ってきたことが大きいのですが、
私たちが建物と存分に向き合い、そのあるべき姿をじっくりと探っていったからとも言えます。

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まず、第1期の解体は、スケルトンに近い状態にすることから。
このときから、たびたび立ち止まっては思案をし、取捨選択を繰り返しました。
それは、無下に壊してしまうのはためらわれるほど美しい色合いの壁や、
ランドリーを営んでいた時代の名残である、味わいのある什器の数々が、
解体するほどに、思いがけず目の前に立ち現れてきたから。
これらはできる限り尊重し、新しい空間のなかに生かしていきたいと考え、
その姿に寄り添いながらプランニングを修正していきました。

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解体によって、内装そのものがガラリと変わった部分もあります。
それは、2階のサロン。
天井裏に現れた、朴訥な木組みがなんとも魅力的だったので、
断熱性能の低下は承知のうえで、塞がずに残すことにしたのです。
これにより、私たちがフルオーダーで手がける建物にはあまりない、
しかし私たちらしい空間が、立ち上がったように思います。

フルオーダーでも、リノベーションでも、
「手放すことで得られるものの価値」について、
私たちはよくクライアントにお話をさせていただくことがあります。
予算、立地条件、そしてリノベーションなら元の建物の構造など、
家づくりには常に、なんらかの制約がつきものです。
しかし、その制約を受け入れ、見方を転換し、むしろ楽しもうとすることで、
建物が放つ個性の際立ちや、そこに抱く愛着など、
得られるものもまた大きいと、私たちは考えます。
この「木組み」は、まさにそのことを改めて実感できた、象徴的な事例かもしれません。

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こうして、リノベーションという選択がもつ豊かさ、
そしてフルオーダーの家にも劣ることのない可能性も見出しながら、
私たちの新たな拠点は、完成に至りました。
これから、アポイント制の営業に加え、
ワークショップや展示会の開催等も、計画中です。
私たちが引き継いだこの場所が、ふたたび
人が集い、行き交う場所となればと願っています。

 

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WAREHOUSE field work
住所 〒399-4106 長野県駒ヶ根市東町13-6
電話 FIELD WORKまでお問い合わせください
営業時間 ※アポイント制 前日までにご連絡下さい
営業日 不定休
※情報は2017年8月現在のものです

Photo 佐々木健太